浙江省、舟山群島に計画された住宅。

50棟ほどの邸宅が並ぶ閑静な住宅街の一画。地階を含む３層、一棟当たり延床面積360㎡の建物は、洋風外観を持ち、南には三方を塀で囲われた約120㎡のアプローチ・ガーデンが備わる。

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周囲を海に囲まれたこの辺りは、湿気が多く霧深い。

窓の外に眺める風景は、靄に包まれる石庭がふさわしいと考えた。

季節の樹々と景石、水盤が配されたは禅の庭は、仄暗い効果も重なって、諸室から趣のある情景を臨むことができる。

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内部は調湿が重視された素材が多用され、各室に除湿・換気システムを導入している。

シックな木目を持つウォールナット材が、壁面や格子にテクスチャを与え、調度品やインテリアを優雅に演出する。地階のプレイルームと祈祷室には、箱庭からの柔らかな光が差し込み、空間に寛ぎをもたらす。正面の間口3m×高さ6mの壁面には、水墨画の風景が広がる。

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竣工から数年が過ぎた。

クライアントは多忙を極める中でも、地下のトレーニングプールで泳ぎ、体のメンテナンスを欠かさない。辣腕の経営者だけあって、庭の手入れにも良く配慮されており、草木の状態はすこぶる良好である。

住み手には、この安らぎに満ちた自分だけの世界の中で、緊張を解きほぐしていただきたい。